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厚生労働省への申入書(事実確認照会)

平成30年2月7日

厚生労働大臣  殿

 

厚生労働省 医薬・生活衛生局

監視指導・麻薬対策課  御中

 

厚生労働省 近畿厚生局

健康福祉部 医事課  御中

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セイルインターナショナル株式会社

代表取締役社長  坂口時彦

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申  入  書

平成29年2月16日付「個人輸入した美容医療機器の使用について(注意喚起)」

(薬生監麻発0216第5号)と題する文書において指摘されている健康被害事例について】

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拝啓 平素は医療機器の輸入事務等についてご指導をいただき、誠にありがとうございます。

さて,弊社は,平成29年3月10日付にて,弊社の美容医療機器輸入代行事業に関して行っていた4つの行為(「医薬品医療機器等法及び刑法違反による告発について」と題する報道発表資料添付の「事案概要」と題する書面ご参照)について厚生労働省より刑事告発を受け,捜査機関による捜査の結果,このうち3つの行為に関しては大阪地方検察庁により不起訴処分(嫌疑不十分)との判断がなされたものの,残る1つの行為,すなわち,弊社が薬監証明を用いて輸入した国内未承認医療機器であるサーマクールをクリニックに有償で販売又は貸与していた行為については,医薬品医療機器等法に違反するものとして,罰金50万円の略式起訴命令を受けました。

かかる事態を引き起こしたのは,弊社において法令の正しい理解とその周知徹底が欠如していたことが原因であって,厚生労働省をはじめとする関係各位に多大なるご迷惑をお掛けいたしましたことを深く反省し,改めてお詫び申し上げます。弊社としては,かかる結果を重く受け止め,二度と同様の事態を招くことのないよう,法令の遵守及び安全性の確保を至上命題として社内体制の再構築を図るとともに,信頼回復に向けた企業努力を積み重ねて参る所存です。

 

ところで,上記告発に先立ち,厚生労働省より,平成29年2月16日付「個人輸入した美容医療機器の使用について(注意喚起)」(薬生監麻発0216第5号)と題する文書(以下「本件文書」といいます。)が発出されておりますが,本件文書には,「今般,製造元が使用回数制限を設けている国内未承認の医療機器を違法に改造し,使用回数制御機能を無効にしたものを販売した販売業者の事例が確認されました。」,「今回確認された事例では,医師により,シワとり等の美容の目的で輸入され,使用されている美容医療機器の改造品が使用された結果,その破損により健康被害(やけど)が発生しています。」との記載があります。

本件文書が出された時期及び上記の記載内容からして,ここで言及されている「美容医療機器の改造品」というのは,弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」のことを指しているものと推測されます。この点,厚生労働省が関東信越厚生局,近畿厚生局及び九州厚生局との連名で,「製造元が設けている使用回数制御機能を解除するツール(以下「改造ツール」という。)を取り付けて利用した結果,医療機器(部品)が破損して健康被害(やけど)を受けた事例が発生しています。」との記載がなされた平成29年2月24日付「サーマクール用の改造ツール等に関する照会について(調査回答の依頼)」と題する文書(以下「本件照会書」といいます。本書面末尾に添付いたします。)が,弊社の顧客であったクリニックに宛てて発出されていることからも,厚生労働省が,上記のようなご認識を持たれていることが窺われるところです。

しかしながら,弊社としては,弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」そのものが原因となって健康被害(やけど)が発生したものと特定された事例については,一切把握しておりませんし,弊社の顧客からそのような報告やクレームを受けたこともございません。この点,平成29年2月23日に,厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課にお電話にてお尋ねした際,厚生労働省の担当者からは,平成29年1月19日の立ち入り検査時に,弊社のほうから,健康被害(やけど)が発生した事例がある旨の説明を聞いたとのご回答がありましたが,同日に弊社から説明させていただいた事例は「リユースチップ」が使用されたケースではありません。

そもそも,サーマクールをはじめとする美容医療機器は,光エネルギー(IPL/APL)と高周波エネルギー(RF)を敏感な肌に照射するというものであり,施術者(医師)による施術にあたっては,様々な注意事項の確実な遵守が求められます。例えば,日焼け後の肌への施術は火傷のリスクが高く避けなければならないとか,顎や頬骨のような骨上では高周波エネルギーが反射するためRFの設定を低めに設定しなければならないとか,患者からの術後経過の申告や痛みの申告に応じてRFの数値を変更しなければならない等といった事項は,施術をするうえで医師が厳守すべきものとして,一般的に,メーカー作成の治療のガイドラインにも明記されています。今回問題となっているサーマクールに関しても,メーカー作成に係る治療ガイドラインにおいて,「チップの破損や異物の付着による損傷を防止するために,電極面に異常がないか術前術中に目視確認をしてください。メーカーでは50ショット毎に電極面の確認をすることを推奨しています。」との記載がなされているところであって,やけど等の健康被害は,メーカーの正規品を用いて施術された場合であっても,十分に起こり得ることであり,患者に健康被害が生じたことイコール(厚生労働省がご指摘されるところの)改造ツールが原因である,ということではありません。

 

そして,弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」そのものが原因となって健康被害(やけど)が発生したものと特定された事例は,弊社の把握する限り,一切存在せず,そのことは,これまでも繰り返し厚生労働省に対してご説明してきたところですが,誠に遺憾ながら,厚生労働省からは具体的事例の存在を明示していただけておりません。

一方,本件文書の発出,さらには,「サーマクール(Thermage)トリートメント・チップの使用に関する注意喚起について」と題する報道発表がなされたことを受けて,多数の報道機関により,あたかも,弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」そのものが原因となって健康被害(やけど)が発生したかの如く報道がなされた結果,弊社顧客であるクリニックやその患者様に対して大きな混乱を招いたほか,弊社の信用問題に関わる事態にも至っております。

つきましては,厚生労働省において,いかなる根拠をもって,弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」そのものが原因となって健康被害(やけど)が発生したものと特定されたのか,具体的に明らかにしていただきたく,下記のとおり照会いたしますので,平成30年2月末日までに書面にてご回答いただきますよう,申し入れいたします。

敬具

【照会事項】

①    弊社の顧客であったクリニックに対してアンケート調査としてなされた本件照会書には,「製造元が設けている使用回数制御機能を解除するツール(以下「改造ツール」という。)を取り付けて利用した結果,医療機器(部品)が破損して健康被害(やけど)を受けた事例が発生しています。」と明記されておりますが,この記載は,厚生労働省における調査の結果,健康被害(やけど)の原因が,弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」自体にあると特定されたというご趣旨でしょうか。それとも,原因は特定されていないものの,当該「リユースチップ」が使用された状況下で健康被害(やけど)が発生したことを確認できたというご趣旨にとどまるのでしょうか。また,厚生労働省において確認された健康被害(やけど)事例は,具体的に何件存在するのでしょうか。

②    上記①において,健康被害(やけど)の原因が弊社ないしはSAIL INTERNATIONAL USA INC.の取扱いにかかる「スマートシステム」のもとで使用された「リユースチップ」自体にあると特定されたということである場合,健康被害(やけど)の原因が当該「リユースチップ」自体にあると特定された具体的な根拠は何でしょうか。

③    本件照会書には,弊社顧客への質問項目の一つとして,「3.改造ツールまたは中古のトリートメント・チップを取り付けたサーマクールの施術による健康被害はございましたか。」との記載があり,その回答欄には「(有の場合は,発生した健康被害の内容・被害を受けた人数,対応などを教えて下さい。)」との記載があります。弊社顧客から寄せられた回答につき,その結果(「有」「無」それぞれの回答数及び「有」の場合における具体的な回答内容)をご教示ください。

以上